奥多摩鷹ノ巣山
2020年12月11日
Mt. Taka-no-su Yama, a 1,737-meter mountain in western Tokyo.

Yamakei On-line map

峰谷Minedani 7:30– 8:25 奥Oku – 浅間尾根Sengen One (Sengen Ridge) – 10:35鷹ノ巣山避難小屋 Takanosu-yama Hinangoya (Takanosu-yama Refugee) 11:20 – 12:10 鷹ノ巣山Takanosu-yama 12:20 –榧ノ木山尾根Kaya-no-ki-yama One (ridge) – 13:50 倉戸山Kurato-yama 13:55 – 15:10 女の湯Me-no-yu – 15:55 峰谷Minedani

Map on the basis of the Geographical Suervey Institute (GSI)

奥多摩町の鷹ノ巣山(1,737m)に行ってきました。奥多摩は、高校の学区内だからほぼ地元ながら、近過ぎ、これまでは、雲取山(2,017m。東京都最高峰。https://www.yamakei-online.com/yk_map/?latlon=35.85555555560022,138.94389041613945&zoom=14)に友達に誘われて行ったことがあるだけでした。

この山を選んだ理由は、奥多摩駅から雲取山に延々と続く「石尾根」の中の主要な山の一つであること、標高が比較的高いこと、大学の仲間が調査でよくこの山に来ていたので親近感があったこと、この山の避難小屋が評判が良いので一度見ておきたかったこと、しかし決定的なのは、2019年10月の豪雨で崩れて通れないままになっている登山道、一部は車道もあるので、選択肢が限られたことでした。One of the reasons for my choice of this mountain was that the options available to us are limited because the trails damaged by the typhoon of 2019 October have not yet been repaired. But Mt. Taka-no-su, which means a Nest of Hawk, is one of the major peaks on the long ridge between JR Okutama station and Mt. Kumotori, 2,017 meters, the highest mountain of Tokyo.

1.出発点は峰谷バス停7:30発 Departure from Minedani bus stop (593 meters in altitude)


Public toilette at the Minedani bus stop. Because
this space is used for u-turn of the bus,
we must be very careful in parking.
峰谷バス折り返し上にある最新設備のトイレ。
バス転回場になっているので、駐車時は慎重に。

Another group of residents of Minedani
峰谷には人間以外も居住。

峰谷バス停(標高593m)を7:30発。奥多摩駅から1日3往復だけのバスの終点。ここのトイレは、なんとウォッシュレットでした。手すり付き。しかもきれい。センサー付きの照明あり。手洗いもセンサー付き。トイレにこだわる人は、是非ここを登山口に。但し、男女兼用で、大1、小2なので、大きなグループには待ち時間が生じます。また、日本名物の自動販売機さえこの集落には無いので、トイレを使わせて頂いても何も報いることができません。There is a free and clean but small public toilette at the bus stop with shower toilettes.

更に先の奥という集落まで道路があり、そこから登山道(浅間尾根)が始まります。この登山道入り口まで、山渓オンラインによれば徒歩1時間20分。最近、標準タイムより時間がかかるのに、今回は55分で歩けました。しかし、この集落の人で車を運転しない人は、1日たった3往復のバスの終点との間、そしてその先への行き来はどうしているのでしょう。奥の集落には朽ち果てた家が目につきました。55 minutes to the entrance to the Sengen One trail at Oku community. I wonder how people live there one hour away from the end of the bus services which are quite infrequent – only three services a day.

2.浅間尾根 Sengen One (Sengen Ridge trail)

浅間尾根は、神社の上などに急なところもありますが、そういうところはジグザグになっていたりもするし、比較的登りやすいです。ミズナラ主体の広葉樹林のところでは落ち葉が積もって道がわかりにくくなっていましたが、運良く、そういうところの片側または両側にシイタケ栽培地があるので、道に迷う心配はまずないでしょう。Relatively friendly to trekkers.

鷹ノ巣山避難小屋の5分ほど手前に水場があり、尾根近くでとても貴重なもののですが、暫くまとまった雨も降っていなかったので涸れていました。The spring five minutes before the hut was dry because of the insufficient rain fall.


As we arrive at the Sengen Ridge, we see some shrines.
奥の集落の道路から斜めに登り、浅間尾根にとりつくと、
鳥居、小さな神社等がある。

There are also Hinoki plantations on the ridge.
尾根上にはヒノキの植林も。

Dead tree leaves hide the trail. But thanks to the
fenced fungi farms, we may not be lost.
落葉で道が埋もれているミズナラ林。この辺りは、
片側または両側に囲いのあるシイタケ栽培地があり、
道が落ち葉に埋もれていても、道の見当はつく。

The spring five minutes before the
Taka-no-su Yama Refugee was dry.
涸れていた、鷹ノ巣山避難小屋5キロ手前の水場

3.鷹ノ巣山避難小屋10:35着、11:20発、鷹ノ巣山頂上へ Arrival at Taka-no-su Yama Refugee, lunch and departure for the summit

石尾根の鞍部にある鷹ノ巣山避難小屋着10:35。まだ新しくてとてもきれい。別棟のトイレは少し古く、和式の汲み取り式? ただでさえ変形性膝関節症があるのに、ここへの登りで足の筋力を使い果たしかけているのだから、それを使うのは厳しい。泊まってみたいきれいな小屋なのに、このトイレのために選外。The hut is clean and attractive, but the toilette is not.

しかし、小屋を離れる頃に日差しがあったものの、だいたい曇りで、小屋の外の温度計の示す気温は6度。汗でぐしょぐしょになって登って来て、気化熱をどんどん奪われる体の温度調整は難しいですね。寒かった。The six degrees temperature was very cold for me when my shirts were fully wet with sweat

お湯を沸かしてコーヒーと緑茶を飲みながらコンビニのおにぎりを食べ、11:20出発。しかし、図を確認することを怠って、鷹ノ巣山への指導標が巻き道方向を指していたので、そちらに入ってしまい、反対側の登山道から登り返したので、山渓オンラインによる35分で登頂できるはずはなく、鷹巣山頂着12:10。Boiling water and drinking coffee and green tea, I ate three combini onigiris to arrive at the summit at 12:10.


Taka-no-su Yama Refugee
鷹ノ巣山避難小屋

The bypass taril. The trail to the summit of
Taka-no-su Yama is in the left on the bank-like
topography..
正面は鷹ノ巣山頂上の右下を行く巻き道。
頂上への道は、左側の土手状の部分にある。

The bypass trail looking back the refugee.
巻き道の途中で避難小屋方向を振り返ったところ。

Arival at the summit of Taka-no-su Yama.
鷹ノ巣山頂上到着

Mt. Kumotori through trees
葉を落とした木立越しに見える雲取山。

From the summit
鷹巣山頂上から

From the summit

From the summit

4.落ち葉に埋もれて道がわかりにくい榧ノ木尾根を下山開始12:20 Decent from Taka-no-su Yama at 12:20 via Kaya-no-ki One (Kaya-no-ki Ridge)

12:20に下山開始。暫く石尾根を下った後、水根山手前で鷹ノ巣山巻き道に降りて進むと榧(かや)ノ木尾根を下っていくことになります。この尾根は、榧ノ木山の先の倉戸山までは歩きやすいです。全体に緩やかで、一部の急な部分はジグザグになっています。しかも、ジグザグの比較的急な部分にはカラマツの落ち葉が積もっていてクッションになっていました。それ以外のところは、ミズナラやブナの落ち葉が更に厚く積もっていました。厚く積もった落ち葉の下にある石や根っこに気を付ける必要があるものの、少なくとも晩秋には、変形性膝関節症には優しい道です。「奥多摩に膝を痛めて泣く人の声聞く時ぞ、秋は悲しき」ということにはなりにくいでしょう。

しかし、この尾根は幅が広く、そこに落ち葉が厚く積もっているので、どこが道なのかがとても分かりにくいです。テープの目印は無いか、案内標識は無いか、先行の人が踏んだ跡は無いか等をよく見て、慎重に下る必要があります。This ridge down to Kurato-yama is broad and is deeply covered with dead tree leaves. We must be carefully identify the trail hidden in the leaves.


The ridge up to Kurato Yama is broad.
When covered with dead tree leaves,
it is not easy to identify the trail. Especially where
the ridge changes its direction, we must carefully
identify small signs.
倉戸山までの榧木山尾根は幅が広い。船形地形も
数か所ある。このように落ちがが積もっていると、
どこが道なのか判然としにくい。特に尾根が曲がって
いるところなどでは、少ないテープの目印や小さな
方向板を見落とさないよう注意。

A natural object.

Do not miss small signs like this.
(In the center on the tree)
このような小さな方向指示版を見落としてはならない。

This is a perfect sign. But following this kind of
ropes diminishes the fun of trekking in mountains.
このように道のわきにロープが張ってあると
道に迷わないものの、山の面白味に欠けますね。

Another sign showing the trail to the left.
これも尾根が左に曲がるところの標識

The trail is uner the dead leaves. We assume that
the trail is between the Hinoki forest and Mizunara forest.
(Photo taken from the Kurato Yama side toward
Taka-no-su Yama.)
道が落ち葉に埋もれていても、ヒノキ林とミズナラ林の
境界に道があると推測して歩く。(倉戸山方面から
見返した写真)

Summit of Kurato Yama
倉戸山頂上

5.倉戸山から女の湯への下山―危険度が高い。倉戸山13:55発、女の湯15:10着 The dangerous steep trail from Kurato-yama to Me-no-yu.

この尾根から最終的に道路(国道411号)に下る道が大問題。まず、国土地理院地図(ウェブ版及び印刷版)、山渓オンライン、吉備人出版(『新版奥多摩登山詳細図(西編)』、2020年7月)、ネット情報等、情報源によって道が違います。深い落ち葉のせいもあるでしょうが、山渓オンラインの地図などにあり、ネット上に山行記録もある、途中から奥集落に行く道やノボリ尾根(急で危険だったと、ネット上の山行記録にあります。)の道は見当たりませんでした。Different maps show different trails. It is difficult to identify many of the trails shown in different maps!

倉戸山からは下る道が2つあり、そのうち、奥多摩駅側になるためにより多くの人が行くと思われる熱海に行く道ではなく、多摩川上流側に降りる女の湯(めのゆ)への道を下ったのですが、少なくとも落ち葉が厚く積もっている時にこの道を下ってはいけません。まず、道がはっきりしません。植林とミズナラ林の境界が道になっているはずだからと、そこを歩くことになります。しかし、全体に非常に急な斜面なので、落ち葉の下に足がかりになる岩等があるかがわかりません。足がかかるものが無いところで落ち葉に足をかけると滑ってしまいます。しかも、両側が、落ちたらとても止まらない急斜面だったりします。そのため、神経も使います。山渓オンラインでは、倉戸山から熱海まで1時間とあるのに対し、慎重に下らなければならなかった女の湯へは1時間15分かかったので、おそらく、熱海に降りる道のほうが状態が良いことと思います。The trail to Me-no-yu (535 meters in altitude) which I took was dangerous. It is not clear. It is too steep. It is covered with deep dead tree leaves, which hide the surface of the trail and thus it is difficult to identify solid ground or rocks to support myself. I had to go very carefully and slowly.

国土地理院地図と山渓オンラインの地図では、この尾根が一旦緩くなったところの先端から右側(多摩川上流側)のあづまいトンネル西出口付近(山渓の地図ではあづまいの地名は無く、その西に坂本園地バス停が出ています。)に道が描かれていますが、それは見当たりませんでした。吉備人出版の地図では、尾根が一旦緩くなったところの先端から左(多摩川下流側)に、尾根が奥多摩湖に突き出して岬状になったところを目指して下るようになっています。これが正しい。但し、岬までは行かず、その手前で右に降りて、勾配の緩やかな道を進んで車道に出ます。15:10にここ(535 m)に下山しました。

吉備人出版の地図では、鷹ノ巣山頂上からここまで3時間5分と出ていましたが、倉戸山から下の急斜面で時間をくったにかかわらず、2時間50分で降りたことになります。In the lower part, the maps of the National Geographical Survey Institute (maps.gsi.go.jp) and Yamakei On-line show a trail that I could not identify. The Map by Kibito Publishers was correct.


Another rope showing the trail to Menoyu, although
this trail is too steep, especially for descent.
女の湯への道を示すロープ。しかし、とりわけ下りでは、
急過ぎて怖い斜面。

Dead tree almost covered with fungi.
途中にあったキノコで覆われかかった朽木。

Late comer when most trees have lost their leaves.
他の木が完全に葉を落としている中、高揚していたカエデ
この道は、急過ぎ、危険だったので、写真は
ほとんどとる余裕がありませんでした。

6.女の湯から峰谷へのバスを待たず、徒歩45で峰谷へ 45 minutes on foot from Me-no-Yu to Minedani without waiting for the last bus of the day of the three services.

車を置いてきた峰谷に戻らなければならなかったのですが、1日3往復だけの峰谷への最終バス(奥多摩駅発16:10、女の湯16:31、峰谷16:46)までは時間があり過ぎるので、車道を歩き、峰谷着15:55。女の湯への落ち葉に覆われた急な斜面よりはずっとましだったものの、朝7:30から山を歩いた後のこの車道歩きは、「足も歩けば棒になる。」感じでした。

7.登山道の通行止め情報、危険情報が広報されていない問題Problem with the availability of information about the current situation of the trails

既述のように、奥多摩には、2019年10月の豪雨で傷んだために通行止めが続いている登山道がいくつもあります。集落への車道でさえ完全復旧していないし、多摩川中流の甲州街道日野橋でさえ漸く今年5月に仮復旧し、架け替えのための準備が漸く始まったという状態なのだから、登山道の修復には時間がかかるかもしれません。

しかし、この登山道の通行止め情報がきちんとネットに掲載されず、現地に行ったら通行止めになっていたので、別の道に変更せざるを得なかったという記録がネット上にたくさん出ています。また、今回降りた女の湯への道は、降りたところに、その道は普通の人には危ないことを示唆する表示があったのですが、下山口の倉戸山にはそのような注意は出ていませんでした。登りよりも下りのほうが危険であるにかかわらず。There are trails that have not yet been repaired and are closed since the 2019 October typhoon. But this information is given only at the entrance to those trails. This causes detours and delays in the trekking, which may lead to accidents. For the sake of prevention of accidents, such crucial information must be posted in the web site by the Tokyo Government who controls the trails so that trekkers can plan right trails in advance.

これらの登山道を管理している都の職員が注意を現地に表示して下さっていることには敬意を表しますが、安全に関わる情報は、現地に行って初めてわかるのではなく、事前にわかるようにネットに掲載すること、また、危険な道については登り口に表示するだけでなく下り口にも表示することを強く求めたいと思います。現地に行って初めて通行止めがわかるようでは、別の道への変更により目的地到着時刻が大幅に遅延し、それが遭難の要因になるおそれもあります。登山道を管理する都には、登山道の管理は確実に安全の認識を入れて行うよう、強く求めたく思います。この山域には遭難対策協議会といったものが見当たらず、それも、予防に十分な力が入れられていないことに関わっているかもしれません。

なお、東京の山の標識は、下山口を指す時、駐車場ではなく、バス停を示しています。今回最終的に降りたところへの標識にも、「女の湯バス停」とありました。下山口には、駐車場が無い例が多く、また、駐車場があっても収容力が限られることが多いです。よくあんなところに家が建っていると思うような急峻な山地で、駐車場という平坦地は贅沢です。In Tokyo, the direction going down to foothills are shown in terms of bus stops, instead of car parks. Actually car parks are limited in this steep mountain area where flat land is of a kind of luxury.


Map showing closure of certain trails
at the entrance to the Sengen One trail.
浅間尾根登り口に到着して初めて示される
閉鎖されている登山道の地図



女の湯からの登山道入り口にあった、
ここから倉戸山への道は危険である
との表示。
The warning that the trail from here to Kurato-yama
is dangerous is found near the entrance to the trail.

Enlarged map in the left notice above. Red shows closed trails.
左上の看板の地図部分(赤が通行止め)

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