5. 9月13日(木) 地球環境ファシリティーの資金でNGOの実施するプロジェクトを訪問

13日(木)

地球環境ファシリティー(Global Environment Facility: GEF。世界銀行国連開発計画(UNDP)国連環境計画(UNEP)が共同で管理して、開発途上国が地球的な環境課題に取り組むのを支援するための資金供与の仕組み)の資金からUNDP担当で運営されている小規模資金協力としてFANANBYが実施しているアンジュズルベの残存自然林の保護区化と隣接農家の収入増加策を組み合せたプロジェクトを日帰りで訪問。アンジュズルベの町から先は、四輪駆動車でないと走れない悪路。


アンジュズルベに向かう途中の一般的な風景

農村部では薪、都市では炭が燃料であるマダガスカルでは、
このように切り株を残して伐り、そこから再び木が伸びて
10年以上すると伐れるようにする(萌芽更新)のが一般的。
残存自然林を除くと、ほとんどの林がそうなっている。
日本でも広く行われていた薪炭林の維持のやり方。

炭は、農村の人達にとって重要な現金収入。

薪炭林の内部。切り株からの萌芽更新がよくわかる。

( (c)Takahashi Toshiaki)

一派的な川での洗濯。川は濁っているが。
( (c)Takahashi Toshiaki)

道路の狭いマダガスカルのバス

途中の集落で売られていたウナギの干物。

大きくおいしそうに成長したキャベツが途中で見られた。
水分保持のために穴の中で野菜を栽培する方法が
あちこちで見られる。

地元の食堂での一般的な食事
( (c) Sakamaki)

残存自然林保護プロジェクトに接する農家では、
訪れる度に、新しい作物、特に換金作物になり得るものの
栽培を拡大させている。
最初の年に案内して下さったこの農家の話を聞いた。
手前はタピオカ。向こうに見える池も、まだ昨年から魚
(ティラピア)の養殖を始めたものとのこと。
インゲンの栽培等は、Fanambyのプロジェクトの
一環として始めたが、魚の養殖を含め、他の工夫の多くは、
独自に始めたものとのこと。インゲン、魚等は、アンジュズルベ
の町に行って、店や仲買人に卸すのではなく、自分で売って
いるとのこと。プロジェクトで始めたインゲンの栽培結果自体は
良好とのことだが、出来高が気象条件等に大きく左右される
ことと、出来高が少ないことが課題と思うとのこと。

新たにパッションフルーツも植えられていた。その花。

パッションフルーツの実。

プロジェクトの一環のキャンプ地の施設整備がさらに進んでいた。
農家では、従来、こちらから流れてくる小川の水を飲用に
していたが、人が入るようになり、汚染の心配があるため、
前記の養魚池のほうを水源に変更したとのこと。

この残存自然林は、昨年、保護区に仮指定され、
現在、本指定に向けて管理計画作りの作業が行われて
いるとのこと。仮指定とともに養成された地元の人によるガイド
により残存自然林の中を歩いた。

残存自然林とそれに接する農地。学生が農家の御主人に、
生まれた頃と今とのこの付近の風景の違いを訪ねたところ、
かつてはこれらの谷間は湿地であったが、自分が水田として
開拓したことが大きく異なり、しかし、その周辺の自然林や、
森林が無くなって草地になってしまっている風景は
ほとんど変わっていないとのこと。農業をやりたいと考えている
この学生が、農家の心構えについて更に訪ねたところ、
「常に働き続けること。そうすることで初めて食べていくことができる。」
との答えだった。家族数も増える中で、農地の拡大と作付けの工夫等
の努力を重ねて初めて生活していけるというマダガスカルの農家の
実態を反映していると思われた。

一昨年案内をして下さった農家の御主人との再会。
( (c)Takahashi Toshiaki)

農家。一番手前の建物は、一昨年、ゲストハウスに
するために作っていると仰っていたが、今のところ
物置になっているとのこと。

( (c)Takahashi Toshiaki)

最後に、FANAMBYのプロジェクト事務所の前で。


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